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兄の秋葉原の店先でのセリフ、

「別世界だぜ!」
を聞くたびに、



“…どのぐらい、別世界なの…”と狼狽していたわけで



白状すれば、
日常においてジャンキーな広告音楽の暴風にさらされている
この五感に、
そうと感じ取れる能力はそなわっているのかしらと…

疑わしく思つつ、常日頃から秋葉原の店先で、

音楽に親しんでいる常連の方々と遭遇するたびに、

ビクビクしていた私ですから、

スピーカーから出る音が頬の産毛をふるわせたときは、



“……グッド トリップ!”とゾッとしてびっくり。



サラ・ボーンさんがベルベットみたいな歌声で



赤い緞帳をするすると引いたら



ここはもう四畳半じゃない



バイオリンの音色が悲しくて



膨張した悲しみが細胞をひっぱたいたら



ちょっと泣きそうになる、



そしてマリア・デルマール・ボネットさんの声が



青空みたいに澄んでいるから



走り出してスキップ! …伸びて 伸びて 高みへ



もっともっと遠くへ…



…ん?眼下に高原が見える、



と思ったら急転直下、



落ちて 落ちて …!



拍手が鳴ったら パチパチパチパチ……



気がつくと都心の住宅の四畳半で正座していた。



落ちのまえに少し説明すると、



グッドマンとロックウッドは都心の小さな住宅にあり、



その街は駅前から遠ざかると、

目にする主な建物はチェーン店かテナントビルで、



テナントビルは明るいフロアが少しと暗いフロアがいっぱい、



都心のわりに洗練されているとはいいがたく、



はっきりいえばさびしい街という印象で、



この街にグッドマンとロックウッドがあることは、

私にとってすごく不思議に感じられた。



音楽はいろんな意味で遠くへ連れていってくれるものだけど、



鎮座するスピーカーはその音楽の持つ力を最大限にしていて、



旬の家電に最新技術を施しても、



私を最も遠くへ連れていったのは…

およそ 半世紀前に作られたスピーカーなのだった

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